沖縄本 聖地巡礼 「小雨堂」
私は本屋が好きです。京都では恵文社に足しげく通い、東京にいる頃は神田の古書店めぐり。気に入った本を購入して「さぼうる」や「ミロンガ・ヌオーバ」でコーヒーを飲みながら読んでいたくちなのです。
小雨堂は、以前借りていた事務所への通勤途中にある古本屋で、普通のアパートの一室に突如開店していたので、気にはなっていたけど行ったことはありませんでした。
『那覇の市場で古本屋』宇田智子著にも、この小雨堂が登場します。
『ある夜ミキシズ画伯が降臨した。三木静さんは『まんが 琉球こどもずかん』(ボーダーインク)の著者であり、『琉球怪談』シリーズ(同、小原猛著)の挿絵や切絵も手がけ、古本屋「小雨堂」の絵本担当でもある。』
ウララの看板にフクロウを描いたのが、どうやら小雨堂の店員さんとのことで俄然興味が湧いてきました。
ちょっと調べてみると、この方は小雨堂の奥様で、イラストレーターということもあって特に絵本に力を入れて収集販売しており、その品揃えは県内で量・質ともに随一だといいます。
息子への絵本を探していた妻も是非に行きたいというので夫婦揃ってお邪魔しました。
店に入ろうとすると、いきなり入口に積み上げられた本、本、本。店主の顔も見えないくらい所狭しと古本が積み上げられています。今まさにリニューアル中だそうで、積まれた本の間から、「整理されてなくてごめんなさい」と店長が温かく迎え入れてくれました。
「沖縄の陶器の本ありますか」と尋ねると、「多分この辺」と、二重三重に積み重ねられた本の柱をかき分けていきます。「暗いね」と携帯で照らしてくれるさまは洞窟探検さながら。「陶factory509」で見せてもらった『沖縄の古陶』という本を探していたのですが、洞窟の中からなんと発見。ちょっと値段が高くて今回は手が出せなかったのですが、次はぜひにと再訪の楽しみができました。
本を引き抜くと山が崩れてきそうで、積まれた本を首を傾げながら眺めて1時間ほど店内散策。
お目当てだった絵本はほとんど「ビブロス堂」に持っていっていると言われました。
このお店も、牧師をしている中学の先輩が店長をしています。縁は繋がるなと思いながら、「そちらに行ってみます」とお礼を言って辞しました。
近いうちにまた、宝探しをしに再訪しようと思っています。