エスプリってやつですか?
沖縄の工芸品を取り扱うにあたって、なんでこの仕事はじめたのと、よく取引先の親方とかから尋ねられたりするのですが、どう応えていいのかいつもスッキリ返答ができてない。
きっかけのひとつとなったのは、14・5年前迄遡る当時は、東京で建築を学び、沖縄に戻って設計事務所でインターンのような事をしている頃だったと思う。
とあるお仕事関係での飲み会に同席させて貰ったところ、隣りに座った方が、東京と沖縄を行き来しながらお仕事をされていて、今流行りの二拠点生活を実践している方
沖縄は、伝統文化も大切にしてるし自然が豊かでいいよねと笑顔で話していた。こないだも知り合いのバイヤーさんが、やちむんやら工芸品を買い占めていったよ。という話を横でなんとなく聞いていた。
その時はなんとも思わなかったのだけれども、ずっとその会話が記憶に残っていて心のなかでモヤモヤしていて、そんな時にフランスで修行されたソムリエの方の特集記事を目にしたのです。
「フランスでは、高級なワインを頼んだ場合、少しだけ残して帰る習わしみたいなのがあるんです。なぜだと思いますか?それは修行しているソムリエがそのワインの香りや味を覚える為なんです。駆け出しのソムリエは食べるのもままならないなから何万円もするワインを購入することができないので学ぶ機会がないので余裕のある方がそうやって支援する仕組みがあるんです。」
うる覚えですが、そのようなことが書かれていたと思ます。新たな担い手を育て継承させるために培った文化があるって、とても素敵なことだなと感動した時、なんとなくモヤモヤしていたのは、恐らく沖縄県民でありながら、沖縄の工芸の価値を見いだすこともできず、買い支える経済的な余裕もない状況に、不甲斐なさを感じて居たのではないかなと思います。
いつか沖縄県内に居ながら、沖縄のものづくりを盛り上げて、戦争で失った知識と知性・伝統と技術を、少しでも取り戻すようなことができたらいいなぁと考えていて、何か携われたらなと思っていました。