令和ですよ
中学・高校時代の同級生だった盛舛さんは、今や才能あふれる陶芸家として活躍しています。
ご夫婦で作陶する工房は、きちんと整理された作業場、陶器で作られた美しいオブジェたちとまるでギャラリーのような雰囲気。盛舛さんの感性の確かさを感じます。
工房は勝連の海を見おろす素敵な場所にあって、心地の良い風が吹き抜けていきます。盛舛さんは、台風がきたら大変なのよと笑っていました。
彼女とは共通の友人も多く、最近誰それと会ったとか、いろいろ情報交換をしています。
ある日、話題は今年の冬に予定されている中学の同窓会の話になりました。「まだ参加するか迷ってるの」と言う盛舛さんに、私も同じ気持ちだと打ち明けました。
人と集まることが苦手なので、この手の会は避けたくなるのですが、旧友と再会できる楽しみを思うと、やっぱり参加しようかと気持ちが揺れます。
帰り道、赤信号で止まった車中から、ある横断幕を見かけました。沖縄ではよく幹線道路に横断幕を張り出し、同窓会の案内をするのです。自分とは全く関係のない学校の横断幕でしたが、それを見て、「やっぱり参加してみようかな」という気持ちが芽生えたのです。
AIが幅を効かせる令和の時代に、昔の仲間たちと集まる勇気をくれたのは、見慣れた風景にとけこむ横断幕でした。
次に盛舛さんに会う時は、きっと同窓会の話で盛り上がることだろうと思います。