やちむん(陶器)の取り扱いについて
やちむん(陶器)育てる
沖縄の伝統的な焼物であるやちむんは、その素朴で温かみのある風合いが魅力です。お料理をさらに引き立てるために、盛りつけ前のひと手間をお料理の一部として捉えませんか。

料理を盛り付ける前に
お使いになる前に、やちむん(陶器)に水を張るか、器全体を水に浸して表面に水分を含ませます。その後、水分を軽く拭き取ってからお料理を盛り付けることで、匂いや染みがつきにくくなり、器がゆっくりと育っていきます。
特に焼締めのうつわは、水に浸してからのご使用をおすすめします。焼締めは釉薬を使わず高温で焼き締めた陶器で、水分をよく吸収する性質があります。このひと手間で、器の味わいが深まり、長く愛用できることでしょう。

やちむんの経年変化を楽しむ
やちむん(陶器)の器は、使い込むほどに貫入が入ったり、染みができたりします。しかし、これは陶器特有の自然な変化であり、器が成長していく過程でもあります。経年変化を味わいとして捉え、育てる楽しみを感じていただけたら幸いです。
少し手間に感じるかもしれませんが、目止めや料理を盛り付ける前に、ひと手間をかけることで、器が「育つ」のか「汚れになる」のかが変わってきます。愛着も湧き、感じの良い味わい深い器に育つことでしょう。ぜひお試しください。
やちむん(陶器)の目止め方法
なぜ目止めが必要なのか?
やちむんは、粒子が粗く目に見えない小さな穴が 無数にあるため吸水性があります。 その穴を、米のとぎ汁の粘りが埋めてくれて、衝撃や汚れに強くなり、シミやにおいがつきにくくなります。
水分を含ませただけで表面にシミのように 見えるものが現れる場合がありますが、しっかりと乾かしていただくと薄くなり目立ちにくくなります。
1.準備するもの

・大きい鍋など
・お米の研ぎ汁
・手ぬぐい等
※やちむん を、ご使用前に軽く洗ってください。
2.煮沸する
やちむん の器を鍋に入れ、かぶるくらいまで米のとぎ汁を注ぎ、15分程度弱火で煮沸します。
※煮沸の際、器同士がぶつかったり、 衝撃を受けるとと欠けやすい性質があります。 重なったりぶつかったりしないように注意して行ってください。
3.そのまま冷ます
鍋ごとそのまま置き、冷ましてから、やちむん の器を取り出し洗った後 十分に乾かします。
※おすすめは夜寝る前に、行ってそのまま朝まで冷ます。
少し面倒だなぁ、という場合
簡単なやちむんの目止め方法
「やちむん(陶器)の目止めが少し面倒だな」と感じる方には、簡単な方法もございます。米のとぎ汁や真水にやちむんをしばらく浸しておくだけでも、ある程度の効果が期待できますので、お試していただけたらと存じます。
絶対にしなければいけませんか?
絶対に必要ではありませんが、やちむんをより長く、快適に使うためには目止めをすることをおすすめします。目止めをすることで、やちむん(陶器)に味わいが増し、汚れや匂いの違いも感じられるでしょう。また、やちむん(陶器)を育てるような感覚で、愛着が湧き、毎日の使用が一層楽しくなります。
電子レンジの使用について

破損やヒビの原因に
やちむん(陶器)は、できるだけ電子レンジの使用をお控えください。電子レンジはワンタッチで加熱できて便利ですが、陶器にダメージを与え、ひび割れや破損の原因となることがあります。見た目には問題がないように見えても、熱の影響を受けやすく、長持ちさせるためには避けることをおすすめいたします。
特に、冷蔵庫で長時間保存し冷えてしまった器や、洗い終わって間もない乾燥しきっていない器の電子レンジでの使用はお控えくださいませ。
食器洗浄機の使用について

割れやカビの原因に
やちむん(陶器)の器と器の距離が近い状態で洗浄すると、接触による欠けやひび割れの原因となりますので、オススメいたしませんが、ご利用する場合は接触しないように気をつけていただけたらと存じます。
また、洗浄後そのまま放置すると、食洗機内の高湿度により、やちむんが水分を吸収してしまい、染みや匂い、カビの原因となる可能性があります。どうしても食洗機を使いたい場合は、器同士の間隔を十分に取り、洗浄後すぐに取り出してしっかりと乾燥を充分におこなっていただけたらと存じます。
やちむんを長く楽しむために
やちむんは、使い込むほどに味わいが深まり、自分だけの特別な器へと成長します。盛りつけ前のひと手間や日常のケアを通じて、やちむんとの時間をより豊かなものになることでしょう。
沖縄の伝統的な焼物であるやちむんを、ぜひ日常のお食事やおもてなしの場でご活用ください。その素朴で温かみのある風合いが、お料理を一層引き立て、食卓に彩りを添えてくれることでしょう。