
あるいはサスペンス!
私たちは、美しい器だけでなく、知り合いの農家さんから分けていただいた沖縄の新鮮野菜も首都圏の飲食店に届けているのですが、東京での沖縄フェアなどの大きなイベント時には、まとまった量の野菜が必要になります。そこで、頼りになるのが沖縄県中央卸売市場です。
市場での直接取引ができない私たちは、いつも青果事業者さんを通じて注文します。その時に欠かせない存在が、受付のAさん。電話口から溢れる「はいはーい」という明るい声は、まるで沖縄の陽光のよう。その声を聞くだけで、一日の疲れが吹き飛びます。
ところが、Aさんには面白い一面があります。ちょっとした確認や修正の電話をすると、突然声のトーンが変わるんです。先日も、納品のFAXが届いていなかったので確認の電話をしたら、Aさんは急に声をひそめ、まるでサスペンス映画の主人公のように「え、え、え、ちょっと待ってね」と言うやいなや、電話を切ってしまったんです。
きっと、仕事に対する真剣さの表れなのでしょう。最初は戸惑いましたが、今ではこれもAさんの魅力の一つだと感じています。そして、いつも問題なく野菜は届きます。
これからは、Aさんに電話をする時は、「特に問題ってわけじゃないんですが…」なんて感じで、ゆっくりと枕詞を添えて話すことにしました。
仕事の中にある、こんな小さな人間ドラマが、私たちの毎日をより豊かなものにしてくれます。皆様の日常にも、きっとこんな素敵な出会いがあるのではないでしょうか。
Aさんとの不思議で温かな関係を大切にしながら、沖縄の美味しい野菜をみなさんにお届けしたいと思います。